日本・欧州のリアルタイム連携を約6ヶ月で短期開発
国内外に約50の拠点を持ち、電子・情報通信・計測ソリューション分野でグローバルに事業展開するアンリツ株式会社は、SAPジャパンのERP製品「SAP R/3」を導入し、部品購入から製品出荷までのトータル リードタイムの短縮や、月次決算の短縮に取り組んできました。
そして2007年には、欧州の英・独・仏・伊・スウェーデンにある5つの販売子会社のシステムと日本のSAP R/3とのリアルタイムのデータ連携に着手し、こちらのプロジェクトは、R/3との連携を含めて約6カ月で最初のシステムをカットオーバーするという、驚異的なスピードで進行しています。
この短期開発の最大の要因は、システム連携に、マジックソフトウェア・ジャパンのシステム統合ソリューション「Magic jBOLT」を採用したからで、アンリツの宇佐美学氏(CIS部 部長)は「jBOLTがなかったら、これほどスムーズにプロジェクトは運ばなかっただろう」と高く評価しています。
SAP Business Oneとの唯一の連携ツール
欧州の販売子会社ではこれまで、システムをそれぞれ独自に構築してきました。そして、その各々のシステムは日本の基幹システムと連動していなかったため、データの重複入力や運用に手間取るなどの問題を抱えていました。
そこで、各販売子会社の基幹システムをSAPの「SAP Business One」にリプレースし、併せて、日本の基幹システムと連携させる一大プロジェクトが立ち上がりました。2007年初めのことです。
ところが、SAP Business OneとSAP R/3の連携方法をいろいろ検討すると、この2つを連携させるソリューションはMagic jBOLTしかないことが判明しました。
さっそく、日本側でSAP Business OneとMagic jBOLTの評価版を導入し、SAP R/3との接続テストに取りかかることになりました。その結果、「マジックソフトウェア・ジャパンのコンサルタントの協力を得ながら、約3日間で連携の基本動作の確認ができ、その後1週間程度で連携シナリオのプロトタイプを完成させることができました」とCIS部プロジェクトチーム主任の川越正幸氏は振り返ります。
これは、Magic jBOLTが、連携させるデータベースの定義項目を表示してくれるので、開発者はそれぞれの定義項目を相互に結ぶだけで連携の設定が可能になるという、Magic jBOLTのノンコーディングの特徴が効果を発揮しています。また、それゆえにSAP Business Oneの仕様に精通したエキスパートを育成する必要がなく、その時間とコストを節約できたことも短期開発の理由となっています。
CIS部プロジェクトチームの新井利幸 主任は、「GUIベースであるので操作は非常に簡単です。開発者は業務ロジックさえ理解していれば、後はデータベースの定義項目を紐付けるだけなのでスムーズに作業が行えます」と指摘します。
プロトタイプをたたき台にし50件の連携業務を6週間で確定
そして、このプロトタイプ開発でMagic jBOLTの実力を確認できたCIS部プロジェクトチームでは、プロトタイプ開発直後の2007年6月と7月に欧州に出向き、計6週間で50通りもの連携シナリオの詳細な合意と、日本側と欧州側のMagic jBOLT(海外ではMagic iBOLT)の設定を終えています。
日本で作成したプロトタイプをデモすることにより、欧州のメンバーにシステム連携の外用を理解させ、プロトタイプをたたき台にして「一気に詳細な連携業務を決定できた」(川越氏)といいます。また、欧州側のメンバーも、マジックソフトウェア英国法人が開催する教育プログラムに参加するなどしてMagic jBOLTの理解を深めたことも、今回のプロジェクトが短期間でカットオーバーできた要因となっています。日本と欧州のメンバーは共同で、Magic jBOLTの詳細な設計や設定・テスト作業を行っています(最終的なサービスインは、欧州側販売子会社のシステム構築後の2007年11月)。
SAP Business OneとSAP R/3の連携システムは、各販売子会社のSAP Business Oneを統合する中継サーバーを英国に配置してそこに欧州側のMagic jBOLTを配置し、日本側のMagic jBOLTと連携し合う構成です。宇佐美氏は「Magic jBOLT間の通信は、シェアードデータベースを利用しています。日本と欧州のそれぞれでネットワークダウンなどが生じた場合の安全策としています」と説明します。
新しい連携システムでは、欧州側スタッフがSAP Business Oneに顧客からの受注伝票と日本への発注伝票を登録すると、日本側のSAP R/3に自動的に見積伝票が登録されるようになりました。また、日本からの出荷伝票をもとに、SAP Business Oneへの自動入庫も可能となりました。今回これを実現するため、両システムで使用する製品形名や顧客コード、価格の統一を行い、マスタの連携も、Magic jBOLTで実施しています。
今後は全世界で展開グローバルなサポート体制に期待
同社では今後、欧州以外の販売子会社にSAP Business Oneの導入を進め、Magic jBOLTを軸にシームレスなシステム統合を世界規模で実現させることを計画中です。
宇佐美氏は、「今回のプロジェクトは、文化の異なる地域をまたいでのシステム化ということもあり、当初は不安や懸念もありました。しかし、マジックソフトウェア側が日本と欧州の両方でスピーディな手厚いサポートを行ってくれたこともあり、予想以上に順調に進みました。振り返れば、jBOLTのようなワールドワイドで事業展開するベンダーの製品でなければ、当社のような取り組みは成功しなかったと思います」と語ります。
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| 図 日本の SAP R/3 と欧州5カ国の SAP Business One の連携システム構成 |
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