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日本トランスシティ株式会社
( Japan Transcity Corporation ) |
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| 運輸総合物流システム
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| 日本トランスシティ本社社屋 |
日本トランスシティ株式会社は、創業明治28年、業界4位を誇る中部地区最大の総合物流会社である。本社のある三重県の四日市港周辺を活動の中心に据え、営業網は、関東、中部、関西を中心に、北海道から北九州まで日本列島を網羅している。海外展開では、北米、中国、東南アジア、欧州にも進出を果たしている。提供するサービス面からすると、物流の基本となる輸送、保管、荷役、港湾サービスに加え、情報、物流戦略の企画・立案などのソフトウェアを含めた幅広い物流ニーズに応え、安定・信頼という長年培った企業イメージの上に、グローバルな視点からシステマティックな物流と新たな活動分野を創造する企業へ変革を進めている。
今回は、この輸送サービスを支えるコンピュータ・システムの中核をなす「運輸総合物流システム」について取材した。このシステムは、現在及び将来にわたり顧客ニーズを満たす物流システムを構築するために、日本トランスシティ株式会社運輸事業部が企画提案を行ったものである。トランスシティコンピュータサービス株式会社(TCS)はそれを受け、TCS社の協力開発会社であるパワーブレインテクノロジー株式会社と共に、企画の具体化及び開発を担当した。この取材にご協力いただいたのは、トランスシティコンピュータサービス株式会社の取締役システム事業部長 佐藤 哲夫氏、システムエンジニア 西井 雅彦氏、ならびにパワーブレインテクノロジー株式会社の代表取締役社長 伊藤 和泉氏、営業部マネージャー 竹田 晃一郎氏、開発部マネージャー 田口 弥生氏である。
日本トランスシティ株式会社 会社概要
| 創 業: |
1895年(明治28年)7月 |
| 設 立: |
1942年(昭和17年)12月 |
| 本社所在地: |
〒510-8651三重県四日市市千歳町6番地の6 |
| 資本金: |
77億91百万円(平成14年3月30日現在)
(東証・名証・大証第一部上場) |
| 従業員: |
863名(平成14年3月現在) |
| 事業内容: |
1)倉庫業
2)港湾運送業
3)貨物自動車運送業
4)貨物運送取扱業及び代理業
5)陸海空複合運送業並びにその取扱業及び代理業
6)通関業
7)コンテナ・パレット等輸送用機器及び荷役用機器の売買及び賃貸業
8)不動産の売買、賃貸借及び管理業
9)土木、建築の設計、施工及び監理業
10)前各号に関する事業 |
| URL: |
http://www.trancy.co.jp/ |
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トランスシティコンピュータサービス株式会社(TCS)
住所:〒510-8651三重県四日市市千歳町8番地
TCS社は、現在の親会社である日本トランスシティ株式会社のサービス拡大につれ、社内でのコンピュータ・システムの重要性が増し、MIS部の果たす役割が広くなったことから、1997年に同社のMIS
部から独立した。物流業界では、「新サービスの企画などの上流工程から、情報システムをセットで提案し顧客を獲得するといった営業支援的な下流工程まで」、情報システム部門の幅広い関与が求められる。そのため、情報システム部では高度な専門知識が不可欠である。しかし、頻繁な人事異動などにより、高度な専門性を備えた人員を部内で育成するのには独立前は難しかった。そこで独立時に、日本トランスシティ株式会社のMIS部には企画機能を残し、TCS社には分析・設計・開発・サポート等の企画を除く全工程が受け渡されることとなった。この結果、TCS社は30名ほどの社員を抱え、専門性の向上を追求し易い組織として今日に至っている。
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| トランスシティコンピュータサービス株式会社
取締役システム事業部長 佐藤 哲夫氏 |
トランスシティコンピュータサービス株式会社
システムエンジニア 西井 雅彦氏 |
パワーブレインテクノロジー株式会社
住所:〒510-0067 三重県四日市市浜田町12番10号ユマニテクアネックス3F
URL: http://www.powerb.co.jp/
パワーブレインテクノロジー株式会社は、1991年12月に有限会社パワーとして設立し、2001年にはパワーブレインテクノロジー株式会社となり現在に至る。本社のある三重県四日市市を拠点に、dbMAGICを用いたシステム開発や、教育機関と連携した情報、医療分野の共同研究、中国黒龍江省から海外留学生を受け入れなど、幅広い事業を展開している。これまで、海上コンテナ輸送管理システム、国際物流システムなど多数の港湾運送関連システムのほか、観光ホテル集中管理システムなども手掛けている。
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| パワーブレインテクノロジー株式会社
代表取締役社長 伊藤 和泉氏 |
パワーブレインテクノロジー株式会社
営業部マネージャー 竹田 晃一郎氏 |
パワーブレインテクノロジー株式会社
開発部マネージャー 田口 弥生氏 |
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TCS社の開発した「運輸総合物流システム」は、インターネットを介して、荷主、関係会社、日本トランスシティ社内の関係部店に貨物の運行情報を提供し、かつドライバーの運行管理を行うものであり、これまで日本トランスシティが使用してきた既存システムのサービスを更に拡張させ、大幅な作業効率向上を可能にした。
Magicを選定した決定的な理由は、画面スクロールなど他の言語にはない操作性
TCS社とMAGICとの最初の出会いは、1993年に海上コンテナの配車システム開発に、パワー・ブレイン社が開発ツールとして使用していたdbMAGIC
V4.3を用いたことだった。その後、1997年にV5.7を用いてPC配車システムを開発した。TCS社のコンピュータ・システムはホスト・コンピュータが主体であり、多様化への対応や情報交流といった面で当時はまだ整備が進んでいなかった。LINETSと呼ばれるホスト・コンピュータ・システムでもオンラインによる配車の仕組みを保有していたが、配車システムにはマン・マシン・インターフェースに優れたものを導入しようと、パワー・ブレイン社からの推薦を受ける形となった。この配車システムは中堅規模のシステム開発であり、dbMAGICがさらに規模の大きなシステム開発に適しているかを知るための、いわばトライアルだった。「運用部が気に入っていると言っていたMAGICの操作性は、まず画面のスクロール。画面の下半分は横一行で一オーダーを表示し、一画面に12,3件のオーダーが表示される。画面の上半分はカーソルのある位置のオーダー内容を表示し、切り替わってゆく。それが配車のイメージとぴったり合っていると配車担当者には好評だった。あれはなかなか他の言語では難しい。あとはズームですね。コードを覚えずとも画面をいっぱい出しながらぽんぽんぽんと作業してゆける。この2点がMAGICで一番気に入っているところですね。」と、西井氏はMAGICに対する現場の評価を語った。「ラインモードとスクリーンモードを同時に動かせるか、遊び感覚で試していたんですよ。それがきちんと動いたのでお見せしたことから、今の原型が出来上がった。」と語るのは伊藤社長。ふとした自由な発想がMAGICの柔軟性を引き出すことに成功した結果、システム開発に大いに役立つこととなった。「配車は全体を見たいんです。昔の配車は巨大な紙に伝票を見ながら書き込んでいた。これをコンピューターでやると、ホストコンピュータは一画面に表示できる情報はたかが知れていて、今のようにきめの細かい表示などできません。一つのオーダーにディスプレーが3台くらい要るようだった。それがひとつの画面で配車できてしまう、というのがMAGIC採用の一番のきっかけですね。」という佐藤取締役のことばにも、配車システムがどれほど要望されていながら、その実現が容易でなかったかが伺われる。「GUIの使い勝手が良いという点がユーザーに評価されたと思っています。」と竹田氏は分析する。これら実績を踏まえ、2001年から取組みをはじめた「運輸総合物流システム」の開発にdbMAGIC
V8を採用することとなった。
貨物の輸送状況把握に要する膨大な時間がシステム開発を促進
運輸総合物流システム導入以前は、貨物の運行状況に関する問い合わせが電話などを通じてかなり頻繁にあり、またその確認も全て電話連絡に頼らざるを得なかったため、担当者はその対応にかなりの時間を費やしていた。必然的に同様のシステムの構想は10年以上前から持っていたが当時はWebなども存在せず、システムの構築は容易ではなかった。しかし、ここへ来てようやくモバイル端末などが一般に普及し、技術的にもコスト的にも可能になったため、遂にシステム開発に踏み切った。
インターネット上のアプリケーション導入は初めてであり、携帯電話対応やホスト・システムとのインターフェースなどの取組みが必要になったが、開発・テスト・導入の工期を予定通り6ヶ月で完了し、2001年12月には四日市地区、2002年4月には鹿島地区と、日本トランスシティ株式会社の2大拠点での導入に成功した。「チェックは色々と要望が多く、通常の画面でクライアント/サーバで動かしているものをWebで動かすため、Webへ放り投げてからチェックしなければならない部分が多く作る際に苦労しましたが、開発期間は確かに他の言語で組むよりずっと短かったと思います。またHTMLのどの部分で切っても持っていけるというのは、使いようによっては便利なのではないでしょうか。」開発に携わった田口氏は、苦労話も交えながら開発当時を振り返る。こうして完成、運用に入った運輸総合物流システムだが、「運用開始以来トラブルも無く、システムとしては全く問題が無い。」と西井氏も自信を覗かせている
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| 右から佐藤氏、西井氏 |
Web上で情報公開することにより、問合せ時間を削減し業務効率を向上
運輸総合物流システムは、既存システムが提供していたサービスを更に拡張させ、業務効率を向上させるものだということは既に述べたが、全体の流れとしては、まず荷主からのオーダーが入ると倉庫システムと運輸システムを合わせ持ったLINETSというホストコンピュータから自動的にPC配車システムへと指示が流れ、更にその情報はLANを経由して各営業所の配車担当へと届き配車が割り当てられてゆく。ここまでが従来からのシステムであり、この先が運輸総合物流システムということになる。配車が決定すると、一明細ごとに管理番号を取られた貨物は、運行ルートを入力されたトラックによって輸送される。各運行ルートには所定のチェックポイントがあり、そこでドライバーは運行状況を携帯電話から送信する。送信された情報は即時にWebで公開され、各担当者は必要に応じて状況を把握できる。これにより、運送会社、荷主、配送先という全ての当事者の業務効率向上を可能にした。さらに、集荷業務での入出門に要する時間を容易に集計できるので、集荷業務に発生し易い待ち時間の平準化にも貢献している。
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| システム構成図 |
トラブルマニュアルや緊急連絡体制などを整備、きめ細かいサービスを提供
ドライバー側でも状況を報告するだけではなく、万一トラブルがあった場合には、種類別にコード化されたトラブル内容を送信し、簡潔にまとめられたトラブル対応マニュアルをi-MODEなどを通じて参照したり、緊急時の連絡先へワンタッチで掛けられるようになっている。勿論、トラブル情報も輸送状況と同様、即時にWebで公開され、荷主なども含めた各担当者の状況把握を可能にしている。「本来は出したくない情報までも敢えて公開することにより、少しでも運輸事故を減らしたいという方針から決断したと、日本トランスシティ株式会社運輸事業部から聞いている」(西井氏)という。
今後の取組みと課題
導入段階では、数回に分けてドライバーの携帯電話操作訓練を実施した際には苦労したが、現在では習熟とともに効果が現れている。この操作はシステムの運営に直接関わるため、教育を行き渡らせることはとても重要であり、ドライバーが決まり通りの運用ができるようにすることは今後も課題である。
また、TCS社では現在全車両を追跡し全ての貨物追跡情報をWeb上で公開している訳ではなく、一部の荷主に対して対象となる情報を開示している。今後は、協力会社との連携を図りながら、運輸総合物流システムを全車両に適用することを目指している。
アプリケーションの機能
・貨物の運行状況はインターネットを通じて社内、関係会社、荷主に提供できる。
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| 画面サンプル:車両情報照会 |
・EDIを通じて収集される運送依頼人からの運送指示データをインターネット用サーバに格納する。旧運用では運送指示データのオーダー単位にファックスで配送センターや関係会社に依頼していたが、当システムでは、インターネットを通じて車番別に割り当てられ、集荷、配送ルート、到着が明らかになる。
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| 画面サンプル:配送状況照会 |
・運送指示データのオーダーは、配車の都合による分割に対してもオーダー分割を可能にし個別に追跡ができる
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| 画面サンプル:配車オーダ照会 |
・集荷、配送ルート、到着のうち配送ルートのみが点ではなく線になるが、ハイウェイの休憩所を指定し、運行管理上のチェック・ポイントにしている。
・ドライバーは携帯電話の入力用ID、パスワードから車番に対応する貨物情報を取得できる。そしてチェック・ポイントを通過する度に、集荷時間、運行ルート上のチェック・ポイント通過時間、納入時間を報告する。トラブルの場合も報告と同時に緊急連絡先へのコンタクトを可能にしている。
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| 画面サンプル:配送状況詳細照会 |
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