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ホテルくさかべアルメリア


ホテル業におけるCRMの実現をめざすdbMAGICによるトータルシステム

ホテルくさかべアルメリア

 岐阜県の下呂温泉にある、ホテルくさかべアルメリアは、旧システムのリース満了となった2000年に、ウェブでの宿泊予約に対応する新システムを導入した。

 それは、単なるリプレースではなく、ホテル業におけるCRM(Customer Relationship Management)を促進するための布石なのである。

 ホテルくさかべアルメリア 概要

所在地: 岐阜県益田郡下呂町幸田1181
電話: 0576-24-2020
URL: http://www.armeria.co.jp/

 


 泊食分離式のインターネット予約システム

 インターネットを使ったホテルの予約サービスは、いまでは珍しくないが、そのほとんどは予約内容が担当者にメールで送られてくるものであり、基幹システムのデータベースと直結できている事例は、ほんの一握りなのが現状だ。

 ホテルくさかべアルメリア(以下、ホテルくさかべと記す)が2000年に導入したホテルシステムは、そのような一握りの例外にあたる斬新なシステムである。

山縣直之氏

ホテルくさかべアルメリア
予約課係長 山縣 直之氏

 「ウェブからの予約は、そのままdbMAGICの基幹システムに直結しています。逆に、予約が少ない日については、料金を少し下げてみるといった具合に、基幹システムのデータをウェブに反映させることができる融通の利くシステムになっています」山縣直之氏/ホテルくさかべ 予約課 係長)

 多くのホテル予約では、泊まる部屋と食事がセットになっているうえ、料金の内訳も曖昧なところがあるのに対して、この予約システムでは、それらを別々に好きなものを選ぶことができ、宿泊料と食事料が明確に提示される泊食分離型である点に特徴がある。

 「写真を見て泊まる部屋と食事を選べるだけでなく、税金込みの料金を予約時に確認することもできます。ウェブで予約した方が楽だなと思っていただけているようで、リピーターのお客さまも増えてきています。年間約8万人に達する直接予約客に対して、インターネットからの予約客の比率を3割まで持っていくのが目標です。」山縣直之氏

 システム移行に至るまでの経緯

 ホテルくさかべアルメリア(以下、ホテルくさかべと記す)が1996年に導入した基幹システムは、dbMAGIC V4でオーダーメイド開発されたものであったため、リース満了となる2000年には、システムの老朽化が目立つようになってきた。旧システムは、NetWareをサーバーに、DOSマシンを専用端末に配置するパソコンLANで構成されていた。

 その後、新たにWindowsマシンが導入されたが、旧システムの基幹となるホテルシステムをWindowsマシンから利用することができなかった。何よりも大きな問題は、インターネットへの対応が旧システムでは不十分だったことにある。

 ホテルくさかべが目標としたインターネット対応は、予約受付の自動化にあったため、旧システムの継ぎ接ぎでは、それを完全に実現することは困難だったのだ。このような背景から、ホテルくさかべは、リース満了となる2000年に、基幹システムの全面的なリプレースを決断した。

宮澤 祐司氏

信南交通株式会社
システムエンジニア
宮澤 祐司氏

 開発にあたった信南交通株式会社情報システム部は、ホテルシステムの開発に1993年以来一貫して取り組んでいるホテルシステムのエキスパートである。ホテルくさかべの新システムは、信南交通が提供するパッケージ製品「ストーリーホテル ストーリー旅館」をカスタマイズすることで実現された。

 その基幹システムはV7で、インターネット予約システムはV8で構成されており、dbMAGICのサーバーは、NetWareからWindows NTに完全に置き換えられた。新システムへの移行に先駆けて、ウェブでの予約システムが2000年8月に立ち上がった。

 このウェブ予約とは別に、電子メールによる予約の受付けは以前から利用されていて、現在も利用は継続されているのだが、ウェブ予約の場合には、予約担当者が受け取った予約情報をあらためて基幹システムに登録する必要がない。ウェブ予約は、予約事務の効率化に大きく貢献している。

 もちろん、予約のサイトを立ち上げただけでは、予約が集まるものではない。ホテルくさかべは、テレビCMや新聞の折込み広告などを動員して、ホームページの認知度を上げる広告展開を徹底した。

 データベースの一元化がCRMの条件

 ホテルくさかべがCRMに力を入れている背景には、慰安旅行に代表されるような団体予約より以上に、個人客による予約を中心としたものにビジネスの軸を転換しなければならないという認識があるからだ。そのためには、CRMの核となる顧客データベースをきちんと整備する必要がある。新システムでは、サーバーは一個所にまとまり、データベースは一元管理されているので、データのだぶりやロスが発生しないのだ。

 インターネット予約への対応だけでなく、ホテル業務にも導入効果をもたらしている。予約の担当者はもちろん、調理場の関係者まで、各部門の担当者が、常に最新情報を確認できるようになった。

林 義彦氏

信南交通株式会社
ホテルシステムコンサルタント・アプリケーションスペシャリスト
林 義彦氏

 「従来は、お客さまからの予約電話があると、紙に記録するしかありませんでした。新システムでは、お客さまの電話番号を聞いたら、即座に名前がわかり、リピーターかどうかもわかります。『××様、前回おこしいただいて、ありがとうございます』といった電話対応もできるようになりました。また、お客さまが、いつ、どんな料理や飲み物を注文され、どんなお部屋にお泊りいただいたのか。そうした過去の利用情報を、たとえ新人のスタッフであっても、即座に確認できるようになったのです」山縣直之氏

 このような顧客データベースの充実に貢献しているのが、ホテルシステムに組み込まれている全国電話帳機能と旅行業者検索機能だ。電話番号を聞いただけで、リピーターかどうかがわかるのは、ハローページのデータがまるごとシステムに組み込まれているからなのだ。同じことは、取引先の旅行業者に対してもいえる。

 「全国2万3千件、大手から中小までの旅行業者名簿がシステムに組み込まれています。電話番号や業者名のふりがなを入れると、系列、設立年月日などが即座にわかります。これは、中小の旅行業者さんと取引を判断するときに、この名簿を判断材料にしているのです。中には要注意業者さんもあるわけですが、そのような情報も自動的に組み込まれています」林義彦氏/信南交通株式会社)

 今後の展望について

 iモードに対応したシステムもプロトタイプが開発中だ。

 「ホテルの営業マンの方が、旅行業者に営業に行かれたときでも、いままではホテルに電話をして、そこで確認していたわけですが、iモードから予約システムを利用できれば、ウェブでの予約と同じように、日付を入れて、空室の状況を、営業先で確認できるようになりますし、仮予約もできるようになるでしょう」林義彦氏

 今後の展開としては、ポイント制度を導入した会員制サービスが計画されている。

 「ウェブから会員番号を入力すれば、すぐに予約ができてしまうサービスも検討しています。部屋や食事といった利用動向や好みに関するデータは蓄積されているので、そうした傾向に応じてDM(ダイレクトメール)や電子メールを出せば、現在のDMよりも、もっとコストパフォーマンスの良いマーケティングが実現できるでしょう」山縣直之氏

システム構成図
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システム構成図
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