入館者の団体受付と実績管理をWebシステムで実現
福島県いわき市小名浜にある「アクアマリンふくしま」(正式名称:財団法人ふくしま海洋科学館)は、水族館を中心にした新しいタイプの海洋科学館である。
全館をガラスで覆うことで、自然光で照らされる斬新な建物の中では、黒潮と親潮がであう「潮目」である福島の海を、大水槽の上から見下ろしながら、あるいは三角形のトンネルから見上げるようにして、さまざまな立体的な角度から一望することができる。
メインテーマである「潮目の海」の他にも、親潮の源流である北の海に生息するアザラシやラッコといった海獣のコーナー、黒潮の源流である熱帯アジアの水辺のコーナー、さらには、福島の川や池などの水辺を再現したコーナーまで、地域の視点と地球規模の視点から「海」の生態と文化を解き明かす。
このアクアマリンふくしまへの入館者の団体受付および入館者の実績管理の効率化のために、dbMAGIC
V8によって構築されたWebベースのシステムが採用された。
2000年の7月にオープンした当初、入館者数は3000~4000人と見積られていたのだが、実際には予想以上の反響だったのである。嬉しい誤算である一方、団体受付が効率よく対応できない、マスコミなどからの入館者数の問い合わせに対して迅速に答えられない、といった少なからぬ混乱をきたしてしまった。
館内には、DVDやVODなど最新のマルチメディアを駆使した解説映像や生物情報のデータベース端末が設置され、それらが高速ギガビットLANで接続されているのに対して、業務系については、思わぬシステム化の遅れが表面化したのである。
Webシステムの提案を後押ししたdbMAGIC
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| 財団法人ふくしま海洋科学館
企画経営課主事 関根 広紹氏 |
「LAN環境はすでに敷設されていましたが、PCはスタンドアロン的に利用していただけで、その先のシステム化については、正直、手をつけるのが遅れてしまいました。そこで、業務系の事務処理を効率化するために、いくつかの業者さんにシステムの提案をお願いしました。最終コンペの結果、dbMAGICによるシステム提案を採用したのは、やはり、Webベースのシステムだったからです」(財団法人
ふくしま海洋科学館 企画経営課主事 関根 広紹氏)
他のシステム提案は、オンライン・バッチ処理にもとづくシステムで、サーバーに対して、10台ほどの専用クライアントの増設を必要とするものであった。これに対して、dbMAGICによるWebベースのシステムでは、既存のPCのブラウザから処理できるため、端末やクライアントの投資が必要ない。科学館のオープン後、急遽浮上した問題だけに、あまり予算もかけられない。そうした背景から、Webシステムのコストパフォーマンスの良さが評価されたかたちになったのだ。
Webシステムは、具体的には、団体受付システムと入館者実績管理システムの二つの柱で構成されている。
団体受付システムは、館内の職員が電話やFAXで受け付けた内容を、ブラウザの操作で登録するだけでなく、インターネットでも公開されている(http://nyukan.marine.fks.ed.jp/)ので、20名以上の団体受付であれば誰でも利用できるようになっている。また、この科学館は、福島県教育庁生涯学習課の管轄であり、全国の学校および福島県の市町村による教育目的による利用については、入館料が免除される。このため、一般の団体受付と減免受付のふたつのメニューで構成されている。これに加えて、館内の混雑予想も閲覧できるようになっている。
もうひとつの柱である入館者実績管理システムは、福島県に提出する義務のある、一般入場実績、団体入場実績、売上点検実績、クーポン実績、および入場実績と減免実績などの報告書を自動作成する他、旅行代理店などに対する請求書の発行処理と入金確認などの事務処理もカバーする。県に提出する報告書については、データベースからPDF書類を自動作成するので、県の担当者はネットから必要な書類をダウンロードできるメリットもある。
「これまでは、県に提出する書類については、台帳をもとに、Excelに手入力したものを集計して作成していたので、入力ミスも多く、集計作業にも時間がかかっていました。今回のシステム導入によって、当初の目的であった事務作業の効率化を達成することができました。」(関根氏)
dbMAGICを使う理由は、生産性と品質の高さにある
このWebシステムの提案と開発を手掛けた株式会社洋向のシステムエンジニアは、約10年前のバージョン4.26の時代からdbMAGICを利用、これまでに50ものシステムをdbMAGICベースで開発してきた実績をもつ。
「dbMAGICを採用している最大の理由は、生産性と品質が優れているからです。つまり、お客さまが最大限のコストパフォーマンスが得られるシステム開発を実現するためには、dbMAGICが最適であると考えています。」(株式会社
洋向 ITソリューション事業部 プロダクトマネージャ 大内 一也氏)
4月1日に本格稼動したシステムだが、実際の発注は1月末であったため、実質2ヶ月で完成したことになる。
「こちらの事務手続きの事情で、発注自体が1月末になってしまったのですが、年度開始の4月1日から団体利用については、間違いなく入力できる状態にしたかったので、洋向さんには、泣いてお願いしました。」(関根氏)
まさにRADツールとしてのdbMAGICの実力を物語るエピソードといえるだろう。こうした短期間での開発が、なぜdbMAGICでは可能なのか。
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| 株式会社 洋向
ITソリューション事業部
Webソリューショングループ
マネージャ 長谷川 信一氏 |
「dbMAGICの良さは、データベースへの更新処理が簡単に作成できる点です。他の言語だとSQL文を使うため、項目を一文字間違っただけでも正常に動作しない。結局、データベース構造を確認しながらの作業となる。その点dbMAGICは、更新したいデータベースの項目や名称等を確認する際、ファイル設計書などを見なくても、一つキーを押すだけで確認できます。それだけでも開発期間の短縮につながりました。」(株式会社
洋向 ITソリューション事業部 長谷川 信一氏)
こうした生産性の高さは、同時に、メンテナンスの容易さも実現する。その結果、作成したプログラムの品質の向上につながっている。
「トラブルが発生したときの、解決するまでのスピードは、他の言語と比べて、非常に優れています。どんなトラブルでも、その対応に1日以上かかることはない。つまり、お客さまに迷惑をかけないですむわけです。」(大内氏)
今後のシステム展開について
Webシステムの実現という点では、今回実現された団体受付・実績管理システムとは別に、科学館が開設しているホームページそのものを、ネット・ミュージアムとして充実させていくことも検討されている。
「ホームページで流す情報、たとえば、生物の調査データなどをデータベースにして、ネットから誰でも参照できるようにしたいと考えています。ただし、館内で展示している写真、動画、文献などのコンテンツは、あくまで館内での展示用に作成されたものなので、それをそのままインターネットに流すことは、著作権上の問題があって難しいのです。そこで、オリジナルの情報を蓄積していって、館内だけでなく、ネット上でも発信していきたい」(関根氏)
このネット・ミュージアム構想の土台として、dbMAGICの採用が決定したわけではないのだが、今回のシステムを短期間で実現できた実績から、dbMAGICによる提案には、期待が寄せられている。

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| システム構成図 |
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